監視社会で困らないのか。

テロとの戦いがなんだかんだと威勢よく語られている時代。

防犯カメラを増やそう、とか刑事訴訟法を改正して通信傍受の範囲を拡大するとかしないとか、まあ色々と監視の目を強めようという動きはある。

 

こういった議論で良く出される主張の一つが、

「監視されて困るのって、悪いことしてる人だけでしょ」

なんて主張だ。

 

悪いことしている人が、監視されて困るのは確かにそうかもしれない。

ただ、良いことをしている人は、監視されて困らないのか、というと決してそうでもないだろう。

そもそも監視対象者になる「悪いこと」をしている人の「悪さ」を決める基準が、市民の健全な常識とかではなく、権力者にとって都合が良いか悪いかだったりすることも考えられる。

あなたが良かれと思ってやっていることでも、権力者にとって不都合であれば、監視対象になる可能性はある。

 

それでもこういう人も出てくるだろう。

「監視されるだけで、捕まるわけでもないし、見られて困るようなことをしなければ、問題ないでしょ」

 

この主張もまぁわからないでもない。

ただ、やはり困ることをするかどうかは、権力者の都合であって、見られている人が判断する事柄ではない。

言い換えれば、権力者が監視対象者を監視するだけで済むか、は監視対象者にも権力者以外の誰にもわからないということだ。

まさかとは思うが「権力者は困るようなことをしないだろう」という前提があるとすれば、少し想像力を働かせてほしいし、想像力が働かないなら過去の歴史を知ってほしいところだ。