映画「戦場のピアニスト」

映画「戦場のピアニスト」をついこの間、視聴した。

小説が原作で、第二次世界大戦中のポーランドのユダヤ人ピアニストが主人公。

 

この映画の印象深いところは、家族の「覚悟」だった。

収容所へと運ばれていく中、主人公の父親がなけなしの金をはたいて、キャラメルをたった一粒買う。

そして、そのキャラメルを小さく切り分けて、家族で一緒に食べる。

まさしく家族でともに食事をするのは、それが最後になる。

そうだとわかっていたからこそ、有り金をはたいてキャラメルを買ったのだ。

 

自分がおそらく無事では済まなくなることを知っている。

かなり高い確率で、理由も分からず、無意味に殺されるという結末を突き付けられている。

このような状況下で、生きていること自体の無意味さに呆然とするのが普通だと思う。

しかし、この家族、特に父親は、別れの儀式を行うことによって、幕引きという意味を与えようとする。

 

意味を受け取るのではなく、意味を生み出す。

極限の状況の中で。

 

そこにとんでもない悲しい美しさがあるのだと思う。